前回までのあらすじ 東急ハンズで自分を取り戻し、駅構内から桜通口の駅前へ。
そこで違和感に囚われた。駅の構内は人であふれていたのに、駅前はあまりに人通りが少ない。しかも目に付く建物は銀行をはじめとするオフィスビルとホテルばかりではないか。
実は名古屋駅前において、駅前機能の中枢とも言うべきショッピング・飲食店舗の多くはその地下にあった。そう、名古屋市民は地下で生まれ、地下で生活し、地下でその生涯を終えるのである。
複数の地下街とビルの地下階がその版図を複雑に絡めあっている。その分岐はさながら蟻の巣のようだ。
桜通口に隣接する地下街として、主要と思われるものが3つあった。
メイチカ(第一銀河帝国)
テルミナ(第一ファウンデーション)
ユニモール(ザ・ミュールおよび惑星カルガン)
他にも複数、かつての太守管区が軍閥化を経て、事実上の王国と化しているらしい。
1日目はそれらの銀河帝国の残滓を訪ねて歩くことにした。
[つづく]