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ガンダム00のヒロインがこんなに可愛いわけがない

 リアル妹を持つ者として、『俺妹』正直どうなのよって意見であったが、妹のヲタ友のバジーナ氏(うじ)がいい女過ぎるのでやっぱり見ることにした。


 『ガンダム00』およびその劇場版は、『ガンダム』という作品があえて切り捨ててきた要素に光を当ててみようという試みであったと思う。
 『ガンダム』が提示した「人々がわかり合える可能性」に対し、手を変え品を変えて現実原則を持ち出しては「わかり合うことの難しさ」を訴えてきた後続の作品群。しかし、本作は訴える。「それはむしろとても簡単なことなのだ」と。

 そもそも、人々がわかり合うことが平和と幸福に繋がるという命題自体がファンタジーだ。実際の社会における人間同士の利害は単なる誤解だけでなく絡まっており、それを解きほぐすには相手のことを理解するだけでは不十分だ。たとえ真実それ自体に力があったとしても、決して万能ではない。理解の後に続くのは我慢とか妥協とか譲歩とか、あらゆる夫婦円満の秘訣である。最悪、互いの生存自体を受け入れられない不倶戴天の敵同士だったという絶望的な事実が明らかになるだけかもしれない。これはひどい。鬱だ死のう。


 『ガンダム00劇場版』における敵、異星体(ELS)は物言わぬ金属生命体である。「ガンダムと宇宙怪獣を戦わせたかった」というのがスタッフ自身が述べているそもそもの着想だが、物言わぬ存在であること、人類との関係、利害対立が単純であったことは本作の主張を表現するためには、とても都合がよかっただろう。相互理解→平和という構図を不自然なく作るには、リアルな背景を持った(そのようなものを背負っているかのように見える)人物などむしろ邪魔なのだ。
 

 異星体の目的は「わかり合うこと」それ自体にあった。『ガンダム』という作品にとって、なんという都合のいい「敵」だろう。

 人類にとって異星体が未知の存在であるように、異星体にとっても人類は未知の存在である。
 相手のことが分からないから、とりあえず肉体的な接触を試みる。(もちろん力加減などない)
 相手に警戒心を持たれたくないから、相手の姿をまねてみる。(まねた相手がリボンズだったのは不幸な事故ではない。ラブコメのお約束だ)
 相手の反応が薄くなったら、勇気を振り絞って、自分の居場所(木星)を出て相手の居場所(地球圏)に乗り込む。
 相手が自分に反応してきたら、自分も同じように反応する(MSや艦船の模写)。ガイジンと話すときに、相手の言葉をオウム返ししてみるようなものだ。もちろん、意味など分かっていない!そう、あれは人類とのコミュニケーションを取ろうという試みの一環だ。「それが地球での挨拶なんだね!」「何それ?面白いの?面白いの?」
 相手が自分の元に飛び込んできたら、思い切って心を開いて受け入れる。
 かくして人類にとって異星体は、そして異星体にとって人類は未知の存在ではなくなった。

 『ガンダム』が長年抱えてきた「わかり合うこと」という命題の答えは人類自身が知っていた。それが明らかになったのは「わかり合うこと」を全く知らず、しかしそれを絶えず求めていた異星体の存在があればこそ。なんという都合のいい「ヒロイン」だろう。ここは泣くところか、笑うところか。


 未知の存在であるはずの異星体。彼らの行動に意図があることをいち早く見抜き、劇場版の進行役を果たしたもう一人のヒロイン。それがミーナ・カーマインだ。彼女は人類における、異星体の似姿とも言うべき行動をとり続ける。TVシリーズに登場しなかったキャラクターをわざわざ持ち出す意味がここにある。では人類代表は?もちろんビリー・カタギリだ。


 本シリーズにおける黒幕であるイオリアは「来るべき対話に備えて」人類の成熟を企図していたが、事態は主人公の都合など頓着せずに始まった。『地球幼年期の終わり』などなかった。あったのは「人類モテ期の始まり」だ。
 では、我々は「来てしまったモテ期」に対して、ビリーよろしくおっかなびっくり対応するしかないのか。本作はその答えも提示している。本作で一番幸せな男、パトリック・コーラサワーだ。今までの『ガンダム』にあんなに魅力的な笑顔を見せる男がいただろうか。
[ 2010/10/11 01:48 ] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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